大分県には、美しい桜が咲く名所が数多くあります。この記事では大分県の桜名所を、有名どころから穴場的なスポットまで、10カ所ピックアップしてご紹介します。
気象庁の「2023年のさくらの開花状況」によると、大分県の桜は【3月24日】に開花が観測されました。また、ウェザーマップによると【4月4日】が満開予想日となっています。
美しい桜の花びらに癒される、大分の春の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
大分の桜名所① 一心寺(大分市)
境内は微妙に色合いの異なる桜で埋め尽くされます
一心寺は1963年(昭和38年)に建立されたお寺。安倍一僧正が報恩感謝の一念から開きました。
ご本尊は不動明王。境内には20mの巨大な不動明王像があります。境内にはほかに17mの薬師観音像、6mの釈迦涅槃像などが安置されています。
建立以来、山を開き、道を造りながら広げられていった一心寺。境内には、八重桜(ぼたん桜)をはじめ8種類ほどの桜が植えられています。
濃いピンクが美しい一心寺のぼたん桜
もともとはソメイヨシノが多かった土地だそうですが、初代住職・安倍一が病弱だった妻の快気を願い、妻の好きな八重桜を植えたそうです。
一心寺では例年、ぼたん桜の開花に合わせ「一心寺ぼたん桜雲海祭り」を開催。2023年は4月6日(木)〜4月17日(月)で開催予定です。拝観料は大人1000円、小学生は300円。開門時間は9:00〜17:00。山間にある広大な寺院なので、歩きやすい靴・服装でのお出かけがおすすめです。
一心寺 お花見情報
●住所:大分県大分市廻栖野1305
●例年の見頃:4月上旬〜4月下旬頃
●公式サイト:不動尊 一心寺
※編集部調べ
大分の桜名所② 扇山さくらの園(別府市)
手前に桜、奥に別府湾の絶景が広がる扇山さくらの園
別府の街を見守るように広がる「大平山」は、扇を逆さに広げたような姿をしていることから別名「扇山」と呼ばれています。4月には山肌が炎に包まれる「扇山火まつり」が行われることでも有名。
その扇山の裾野に、春になると桜が咲き乱れる一帯があります。約6000本のソメイヨシノが植えられている「扇山さくらの園」は、別府の市街地よりも高台にあるので景色が見事。
別府湾と別府の市街地を背景に、桜が可憐な花をつけます。ドライブをしながら花見を楽しむコースとしてぴったりです。
扇山さくらの園 お花見情報
●住所:大分県別府市鶴見太平4550-3
●例年の見頃:4月上旬〜4月下旬頃
●参考サイト:扇山さくらの園(iナビおおいた)
※編集部調べ
大分の桜名所③ 安楽寺のしだれ桜(別府市)
頭上をおおうように咲く安楽寺のしだれ桜 写真提供:別府市
小さな集落にある、わらぶきの小さなお寺・安楽寺には、県の保護樹木に指定されている見事なしだれ桜があります。このしだれ桜は、実は古い1本のしだれ桜から、2本の株が芽吹いたもの。
もともと昭和初期までは境内に樹齢300年のしだれ桜があったそうで、その古木から2本の新しいしだれ桜が芽吹きました。その2代目の桜も、樹齢は100年ほどになります。
安楽寺のしだれ桜は、周囲ののどかな田園風景と合わせて楽しみたい名所です。また、安楽寺から車で6分ほどの「別府ロープウェイ」や車で7分ほどの「志高湖」も別府の桜名所として知られていますので、そちらも合わせてどうぞ。
安楽寺のしだれ桜 お花見情報
●住所:大分県別府市城島
●例年の見頃:4月上旬頃
●参考サイト:安楽寺のしだれ桜(大分県)
※編集部調べ
大分の桜名所④ 臼杵城跡(臼杵市)
ライトアップされた臼杵城跡の桜
臼杵城跡は、名前の通りかつて臼杵城(うすきじょう)があった場所。天守や主要な建造物は廃藩時に取り壊されてしまい、現在は2つの櫓と、庭園の一部、石垣などが残っています。
臼杵城の前身は、同地に築かれた「丹生島城(にうじまじょう)」。丹生島城はキリシタン大名として有名だった、大友宗麟(おおとも そうりん)の居城でした。現在、城跡のある場所は地区続きですが、築城当時は海に囲まれた島だったそうです。
臼杵城跡には約600本の桜が植えられており、春には一面に咲き誇ります。桜の開花に合わせて例年「臼杵城址桜まつり」が行われますが、2023年は3月24日(金)〜4月2日(日)で開催。桜のライトアップが行われるほか、露店の出店、各種イベントが行われます。
臼杵城跡 お花見情報
●住所:大分県臼杵市臼杵
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬
●ライトアップ期間:2023年3月24日(金)〜2023年4月2日(日)
●点灯時間:18:00〜21:00
●公式サイト:令和5年 臼杵城址桜まつり
※編集部調べ
大分の桜名所⑤ 四浦半島の河津桜(津久見市)
濃いピンクの花が青い海に映えます
大分県の南東部、九州と四国の間の海・豊後水道に向かって突き出た四浦(ようら)半島は、河津桜の名所として知られています。
四浦半島で見られる河津桜は約5000本。2005年頃から、地元住民が中心となり沿道に植樹してきました。
豊後水道が一望できる「四浦展望台」、保土島と桜が見られる高浜、桜のトンネルがある「越智小学校」などは絶好のビュースポットです。
四浦展望台からの眺め
四浦半島の河津桜は、ソメイヨシノよりもかなり早めに見頃が訪れます。例年2月上旬〜2月下旬頃が見頃です。
開花時期には「豊後水道河津桜まつり」が開催されるのが恒例。2023年は2月4日(土)〜3月5日(日)に開催され、11回目を数えました。
四浦半島の河津桜 お花見情報
●住所:大分県津久見市四浦
●例年の見頃:2月上旬〜3月上旬頃
●参考サイト:四浦半島の河津桜開花情報(津久見市観光協会)
※編集部調べ
大分の桜名所⑧ 溪石園(中津市)
二連のアーチ状に咲く溪石園の桜
中津市の中部に位置する耶馬溪(やばけい)は、奇岩が作り出す絶景で知られる景勝地。その耶馬溪を流れる山国川に、1985年にできたのが耶馬溪ダムです。
溪石園(けいせきえん)は、耶馬溪ダムの完成を記念して造られた広大な日本庭園で、園内には100種の樹木が植えられています。春は桜、秋は紅葉と、四季折々の景色を楽しめるのが特徴。
溪石園は数万個の石やダムの水を利用し、耶馬溪の渓流を再現していて、桜とともに見事な日本庭園の景色を楽しめるスポットです。
溪石園 お花見情報
●住所:大分県中津市耶馬溪町大島2286-1
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃
●参考サイト:耶馬溪ダム記念公園「溪石園」(中津耶馬溪観光協会)
※編集部調べ
大分の桜名所⑥ 岩屋の千本桜(佐伯市)
山肌をおおう岩屋の千本桜
大分県佐伯市ののどかな地に、山肌一面に桜が咲く桜名所があります。
「岩屋の千本桜」と呼ばれる岩屋地区の桜は、地域の住民が植え、大切に手入れしてきました。
山肌一面の桜の絶景は、付近の駐車場から綺麗に見えます。また、山の中腹までは散策道が整備されているので、山歩きも楽しめますよ。
桜の合間を縫って散策道を歩く 写真提供:(一社)佐伯市観光協会
岩屋の千本桜 お花見情報
●住所:大分県佐伯市本匠小川岩屋
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃
●参考サイト:岩屋の千本桜(佐伯市観光ナビ)
※編集部調べ
大分の桜名所⑨ 大原大しだれ桜(日田市)
満開の大原大しだれ桜は迫力と貫禄があります
大原大しだれ桜は、日田市の大原八幡宮の近くにある、推定樹齢200年の大きなしだれ桜。幾百に別れた枝からあふれんばかりに咲く花々が圧巻の光景を作り出します。
開花時期はソメイヨシノよりも1週間ほど早く訪れます。2005年からは、見頃に合わせてライトアップを開催。2023年は3月16(木)〜4月4日(火)にライトアップ予定ですが、葉桜になり次第終了します。
ライトアップされた大原大しだれ桜
大原大しだれ桜 お花見情報
●住所:大分県日田市田島2丁目
●例年の見頃:3月下旬頃
●ライトアップ期間:2023年3月16日(木)〜2023年4月4日(火)
●点灯時間:18:30〜21:30頃
●参考サイト:日田日記(おいでひた)
※編集部調べ
大分の桜名所⑩ 岡城跡(竹田市)
石垣に沿って咲く岡城跡の桜 写真提供:九州観光機構
岡城は、南北朝時代に築城された山城です。川岸の断崖絶壁に立つ岡城は〝難攻不落の城〟といわれました。1596(慶長元年)になると城の大改修が行われ、総石垣の近世城郭へと姿を変えていきます。
現在の岡城跡では、大手門跡や西の丸跡、三の丸跡など、往時を思わせる遺構の数々を見ることができます。
桜の名所として知られている岡城では、毎年「岡城桜まつり」が開催されています。2023年は4月2日(日)に開催。75回目を数えます。
桜まつり当日は大名行列、甲冑武者行列などのイベントが催されます。桜の中を勇猛果敢な武者たちがゆく光景は一見の価値ありです。
岡城跡 お花見情報
●住所:大分県竹田市竹田岡
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬
●公式サイト:岡城跡
※編集部調べ
まとめ
大分県の桜名所を10カ所をご紹介しました。2023年は、全国的に例年よりも開花が早い地域が多くありますが、大分県の開花観測日は平年並みとなっています。
この記事でご紹介したスポットは、桜の名所として有名なところもありますが、地域の方が大切に桜の手入れをしてきた穴場的なスポットもあります。訪れる際は、ゴミを持ち帰るなどマナーを守り、気持ちよくお花見を楽しみましょう。
Text・Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA